【春草展示第40期】ミニ解説④美術院思ひ出写真

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2月11日から、菱田春草記念室 第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-を開催しています。展示から、いくつかの写真をご紹介します。


日本美術院正員の写真  明治31年10月 原本複写
上段右から岡倉天心、西郷孤月、山田敬中、春草、寺崎広業、下村観山。上段の一番左が横山大観。前列には橋本雅邦もいます。日本美術院創設時の集合写真で、主要作家の勢ぞろいです。


大観と春草(部分)  明治30年代半ば 原本複写
籐椅子に座る大観と春草をうつします。この時期のふたりは常に行動を共にしていました。地方漫遊時の撮影かと考えられます。


五浦での制作風景  明治40年8月頃 原本複写
五浦の日本美術院研究所における制作風景。手前より木村武山、春草、大観、観山。観山の後方にある部屋では岡倉天心が座して指導を行っていました。

新しい日本画を目指して、同じ志をもって共に描き、学び、呑み、明治の時代を駆け抜けた日本美術院の作家たちの交友の様子は、当時の写真からも知ることが出来ます。

菱田春草記念室 常設展示菱田春草記念室第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-は3月12日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

【春草展示第40期】ミニ解説③《花卉線香》

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2月11日から、菱田春草記念室 第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-を開催しています。展示中の作品をご紹介します。


諸家合作《花卉線香》
明治44年 個人蔵(本館寄託)

春草の通夜の際に、日本美術院の僚友 横山大観、下村観山、木村武山、寺崎広業、川合玉堂が寄せ描きした作品です。この5人は、約半年後に開催された春草追悼展に合わせて屏風作品を描き、その売り上げを春草の遺族に寄贈しました。春草にとっての彼ら、彼らにとっての春草、と画家たちの交友を想像することができます。

菱田春草記念室 常設展示菱田春草記念室第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-は3月12日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

滝沢館長による日本画実技講座

ブログ イベントレポート 今日の美博


2月25,26日に、当館館長 滝沢具幸による日本画実技講座を行いました。高校生以上の日本画初心者から経験者7名が参加しました。



胡粉と箔の使い方のデモンストレーション。
作家の手業に感嘆の声が上がる場面もありました。


説明の後は、早速各々の制作に取り掛かります。



構図や配色、ニュアンスを館長がアドバイスしていきます。


皆さんどんどん描きこんでいきました。色の重なりも日本画の絵の具ならではの魅力です。

2日間制作づけの充実の講座になりました。

(菱田春草記念室担当)

【春草展示第40期】ミニ解説②《山水》

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2月11日から、菱田春草記念室 第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-を開催しています。展示中の作品をご紹介します。


菱田春草《山水》
明治38年頃 
飯田市美術博物館蔵

山は仰角度に、水の流れは俯角にとらえ、霧の空間で二視点の調和を試みています。本作は下村観山の作品との対幅になっています。


下村観山《楼閣》
明治43年 飯田市美術博物館蔵

春草の作品と比べると、より遠近感を意識した空間表現をとっています。2作は同時期の制作ではありませんが、朦朧体の画風を用いて統一感のある対幅に仕上がっています。表現をくらべてみることで、先鋭な春草/手堅い観山と、制作姿勢の違いが分かります。

菱田春草記念室 常設展示菱田春草記念室第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-は3月12日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

3月25日■特別展 「美術と風土」 ギャラリートーク開催!

イベント インフォメーション

ゲスト:奥中章人さん(出品作家)
日 時:2023年3月25日(土)午前10時〜

集合場所:飯田市美術博物館 1階
     特別展「美術と風土–アーティストが触れた伊那谷展」会場入口前

*参加には特別展観覧券が必要です(一般500円、高校生以下無料)

【内容】
3月25日から開催の特別展「美術と風土-アーティストが触れた伊那谷展
」の出品作家をゲストにお迎えし、担当学芸員が展覧会について紹介します。

【春草展示第40期】ミニ解説①《湖辺飛雁》

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2月11日から、菱田春草記念室 第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-を開催しています。展示中の作品をご紹介します。


菱田春草《湖辺飛雁》
飯田市美術博物館蔵

奥行きや空気を描いた朦朧体期の研究の様子を伝えます。近景と遠景を霞によって二分し、それらを雁の列でつないでいます。理知的な春草らしい構成です。この作品は現在は横山大観の作との対幅になっています。


横山大観《海濱の月》
飯田市美術博物館蔵

こちらは大観らしい大胆な構図の作品です。構図は連続しており、対幅の面白味を示した作品です。しかしこの作品は、昭和初期の段階では別の大観の作との双福であった記録が残っています。いつ春草大観の対幅となったのか。研鑽を共にした2人の、同じ志と異なる個性を示した、謎の対幅作品です。

菱田春草記念室 常設展示菱田春草記念室第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-は3月12日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

令和5年度古文書講座「ゼロから始める古文書」受講者募集

インフォメーション

はじめて古文書に触れる全くの初心者を対象とした、古文書学習の“超”入門編です。くずし字の読解よりもテキストの背後に広がる豊穣な歴史の案内に重きを置きながら、時には古文書の取り扱い方などもレクチャーします。狭い意味での“古文書”だけでなく文字資料全般をテキストとします。

日  時:

◎Ⅰ 班: 毎月第1水曜日
◎Ⅱ 班: 毎月第3土曜日

時間はいずれも午前 10 時~11 時 30 分
2班に分けて、それぞれに毎月開催します。聴講をご希望される方はどちらかに登録ください。ただし、月ごとの講座内容はほぼ同じですので、ご都合が悪い場合は、もう一方にご参加いただけます。

受 講 料: 100 円(1回ごとに徴収します)

講  師: 歴史研究所、美術博物館職員

定  員: 先着 20 名(年間通じて受講できる方)

会  場: 美術博物館講堂

主  催: 歴史研究所、美術博物館

申込方法:チラシに添付された申込用紙に記入の上、美術博物館受付にご提出ください

申込期間: 令和5年3月1日(水)~3月 26 日(日)
問い合わせ: 飯田市美術博物館
〒395-0034 飯田市追手町 2-655‐7  TEL0265-22-8118 FAX0265-22-5252

R5ゼロから始める古文書(チラシ)

230412イベント開催時のチェックリスト(ゼロから始める古文書)

3月25.26日■追手町小学校化石標本室

イベント

長谷川善和博士(飯田市千代出身)が収集した化石や骨格標本を展示しています。地元伊那産の化石の他に、世界の化石を見ることができます。

日時:2023年3月25日(土)26日(日)午前10時~午後4時
会場:追手町小学校化石標本室(追手町小学校西側道路より入室)

申し込み不要、観覧無料です。開室中はいつでもご覧いただけます。

3月25日■プラネタリウムまつり

プラネタリウム

プラネタリウム天歩ではプラネタリウムの魅力をあらためて知ってもらうため、特別なプログ ラムで投影する「プラネタリウムまつり」を開催いたします。 この日限りの終日無料のプログラムです!

開催日:2023年3月25日(土)
観覧料:無料
観覧券:各回45枚
※入場整理券は【先着順】です。全ての回の券を当日午前9時30分より当館1階の専用受付にて配布します。
※一度に受け取れる観覧券は、並ばれた方お一人につき3枚 までです。 ( 座席をご利用にならない乳幼児の方はひざの上券をお受け 取りください。)

<投影スケジュール>
①10:00~10:25
「たいようくんとおつきちゃん」

②11:30~12:00
「ひかりのせかいへ」

③14:00~14:30
「ワク・ドキ探検☆大宇宙」

④16:00~16:30
「宇宙~その大きさを感じてみよう~」