子ども美術学校④ゆかいな動物(陶芸)

ブログ 今日の美博

飯田下伊那の小学校4年生から6年生を対象とした絵画・工作の基礎講座、子ども美術学校。

第4回目は「ゆかいな動物」がテーマ。陶芸に挑戦しました。


まずは先生が粘土の扱い方を実演。粘土で作ったものを焼くことになるので、割れないようにするためのコツも伝えます。分厚く、そして空気の通り道を作ることが大事とのこと。

いよいよつくりはじめます。
粘土はひんやり冷たい!そしてかたい!

こねていきながら、自分のつくりたいゆかいな動物の形を目指します。


ちぎってこねて、のばして作った輪っかを重ねて。高さを出していきます。


大体の形ができたら、へらやくしをつかって表情をつけていきます。


ゆかいな動物たちができました!焼き上がりが楽しみです。

※本記事で使用した写真の一部は、本年度博物館実習生が撮影しました。

(美術部門:菱田春草記念室担当)

【春草展示第36期】ミニ解説③《帰樵》

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7月30日から、菱田春草記念室 第36期展示 彩の魅力-春草の色彩表現-を開催しています。展示作品から1点ご紹介します。


菱田春草《帰樵》
明治39年(1906) 飯田市美術博物館蔵

本作は、米欧遊学後、色彩研究に進んだ時期の作品です。茜色に染まる夕陽を背景に2人が家路につく光景を描いています。丘陵の稜線は、輪郭線を用いずに、色を重ねてぼかす表現をとっています。また、夕焼けの空はグラデーションを用いて光を描き、空間をあらわします。全体に澄んだ色彩を用いて描いたことで、画面の明るさの確保に成功している本作は、朦朧体のひとつの完成形といえます。春草の朦朧体研究、そして色彩研究の成果があらわれている作品です。

2人の人物は、点景(風景画に趣をだすために小さく描いた人物や動物)のように描いていますが、かなり細かな描写が確認できます。青色を基調とした衣服が、暖色の画面に抑揚をつけています。一部には淡い輪郭線を用いて描きます。仕事を終え、家路につく2人の姿はあたたかい会話を想起させ、叙情性を加えています。
手前にある桜と思しき花は、筆跡のみえる点描風の表現を用いています。外遊後の春草が、西洋の色彩理論に基づいた配色と、印象派の表現に倣った点描表現を、自身の作品に取り入れている一例です。

菱田春草記念室 常設展示 第36期 彩の魅力-春草の色彩表現-は8月28日まで。春草の色の探求をぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

9月30日■美術鑑賞の会「第36回 菱田春草《菊慈童》」(要申込)

講座


講師:加納向日葵(本館学芸員)

日時:2022年9月30日(金曜日)午後6時30分〜8時
会場:美術博物館 2階 講堂

定員:20名(申込先着順)
申込:9月16日(金)午前9時30分から電話(0265−22−8118)で受付。
参加費:一般310円、高校生200円、小中学生100円

【内容】
展示中の作品をもとに、さまざまな観点から鑑賞を試みる「美術鑑賞の会」の第36回目です。今回は菱田春草の朦朧体期の名品《菊慈童》。作品の特色や朦朧体について解説した後に、展示室にてじっくりと鑑賞します。

美術鑑賞の会第36回

【満席】9月25日■たねの会ワークショップ「コケのカラダのつくりを知ろう&ガラスの小びんでコケリウム」(要申込)

講座

本ワークショップは【満席】となりました。(9月10日10:30更新)

講師:四方圭一郎(本館学芸員)・髙木千花(本館スタッフ)

日時:2022年9月25日(日曜日)①午前10時~/②午後1時30分~/③午後3時~
会場:美術博物館 2階 科学工作室

定員:各回10名(申込先着順)
申込:9月10日(土)午前9時30分から電話(0265−22−8118)で受付。
材料費:200円

【内容】
コケのカラダのつくりを観察したあと、ビンの中に自分だけの小さなコケ庭をつくります。

9月18日■電子顕微鏡観察教室 

イベント

日時:2022年9月18日(日)
   午前11~12時
会場:美術博物館 科学工作室
担当:川谷文子(古生物・地質担当)

電子顕微鏡で微の世界をご覧いただけます。
電子顕微鏡公開のほか、伊那谷の自然に関する相談などにも応じています。

*申込み不要。
*参加には展示観覧券が必要です。

9月17.18日■追手町小学校化石標本室

イベント

長谷川善和博士(飯田市千代出身)が収集した化石や骨格標本を展示しています。地元伊那産の化石の他に、世界の化石を見ることができます。

日時:2022年9月17日(土)、18日(日) 午前10時~午後4時
会場:追手町小学校化石標本室(追手町小学校西側道路より入室)

申し込み不要、観覧無料です。開室中はいつでもご覧いただけます。

9月13日~19日■【春草ウィーク】観覧料無料

インフォメーション

飯田出身の日本画家、菱田春草の生誕日(9月21日)と没日(9月16日)のある9月。9月を「春草マンスリー」、特に生誕日と没日に近い1週間を「春草ウィークリー」として、様々なイベントを行います。

春草ウィークリーの  2022年9月13日(火)~9月19日(月祝)は、観覧料無料*です
*<プラネタリウムの通常投影のみ有料となります>

春草をおもう特別な期間として、ぜひ菱田春草記念室の展示をご覧ください。

期間中の平日は、プラネタリウムにて菱田春草番組+学芸員による《菊慈童》解説を行う特別投影も行います(参加無料)。

9月13日~16日■春草ウィーク プラネタリウム特別投影

9月13日~16日■【春草ウィーク】プラネタリウム特別投影

プラネタリウム

日 時:2022年9月13日(火)~16日(金) 各日 午後1時30分〜2時10分
場 所:プラネタリウム天歩

参加費:無料

定 員:30名 (当日受付・先着順)

内 容:菱田春草番組の投影にあわせて、菱田春草の朦朧体の名画《菊慈童》(菱田春草記念室にて展示中)について学芸員が解説をします。

・「菱田春草の青春~日本画誕生への道~」(13分)

・「菱田春草~永遠のときを越えて~」(10分)

・学芸員による菱田春草《菊慈童》解説(15分)

9月11日■自然講座「御嶽山麓の自然と火山灰」(要申込)

講座


講師:桐生和樹さん(櫻ヶ岡中学校教諭)

日時:2022年9月11日(日曜日)午後1時30分〜3時
会場:美術博物館 2階 講堂

定員:30名(申込先着順)
申込:8月27日(土)午前9時30分から電話(0265−22−8118)で受付。
*聴講は無料です。

【内容】
狭くて暗い木曽谷の中で、開田高原だけが明るく広大です。開田中学校で勤務した3年間で感じた御嶽山と開田高原の魅力、そして伊那谷へも影響を及ぼした火山灰についてお話します。