日時:2022年9月11日(日)午前11~12時(午前中のみ)「広報いいだ」と「びはくにゅーす9月号」では、午後も開催することになっておりますが、諸事情により午前中のみの開催とさせていただきます。
会場:美術博物館 科学工作室
担当:村松 武(地質担当)
電子顕微鏡で微の世界をご覧いただけます。
電子顕微鏡公開のほか、伊那谷の自然に関する相談などにも応じています。
*申込み不要です。
*参加には展示観覧券が必要です。
日時:2022年9月11日(日)午前11~12時(午前中のみ)「広報いいだ」と「びはくにゅーす9月号」では、午後も開催することになっておりますが、諸事情により午前中のみの開催とさせていただきます。
会場:美術博物館 科学工作室
担当:村松 武(地質担当)
電子顕微鏡で微の世界をご覧いただけます。
電子顕微鏡公開のほか、伊那谷の自然に関する相談などにも応じています。
*申込み不要です。
*参加には展示観覧券が必要です。
本講座は【満席】となりました。(2022.08.30)
講師:加納向日葵(本館学芸員)
日時:2022年9月7日(水曜日)午後6時30分〜8時
会場:美術博物館 2階 講堂
定員:30名(申込先着順)
申込:8月24日(水)午前9時30分から電話(0265−22−8118)で受付。
*聴講は無料です。
【内容】
本年度の春草講座は、開催中の菱田春草常設展示にまつわるトピックを紹介します。第1講は常設展示第37期「菊慈童に迫る」から、春草の朦朧体期の代表作《菊慈童》について、特に金色と銀色の使用意図に注目してご紹介します。
7月30日から、菱田春草記念室 第36期展示 彩の魅力-春草の色彩表現-を開催しています。展示中の作品から1点紹介します。
菱田春草《霊昭女》
明治35年(1902) 飯田市美術博物館蔵
本作の背景は略され、淡い色を重ねたグラデーションのみです。輪郭線は用いず、明瞭な色面の濃淡で陰影をはっきり描き、立体感を伝えます。また光の当たる部分にはハイライトを施しており、人物像については写実性を強めた表現になっています。中国古典から画題をとり、姿だけでなく心も清らかな女性を澄んだ色彩で描き出しています。日本美術院内の研究会に出品した作で、画家仲間たちから画題の選択から描き方まで高評価を受けたようです。
菱田春草記念室 常設展示 第36期 彩の魅力-春草の色彩表現-は8月28日まで。春草の彩をぜひご覧ください。
(菱田春草記念室担当)
8月11日に予定していました「ワクワクびはくで夏休み」が中止になったため、プラネタリウムは通常の夏休み期間投影のスケジュールで投影いたします。
また、展示室観覧は無料ですが、プラネタリウムの観覧には通常の観覧料が必要です。
お間違えの無いよう、お気をつけください。
民俗学の創始者として知られる柳田国男が昭和37年8月8日に亡くなって今年で60年になります。
飯田市美術博物館の付属施設である柳田國男館は、国男が明治34年(1901)旧飯田藩士の柳田家に養嗣子入りした縁により、東京の成城にあった柳田の書斎兼住居を平成元年(1989)に移築した建物です(平成28年に国の有形文化財に登録)。
柳田と飯田との縁は単に旧飯田藩士の家に養子入りしたことにとどまりません。ある時には国家官僚として飯田を訪れ、民俗学の研究に本格的に進んだのちは飯田下伊那の郷土史家たちと交流し、様々な影響をもたらしました。特に、昭和11年(1936)には飯田の山村書院から『信州随筆』を出版しています。これは、柳田の著作のなかで唯一、初版が地方出版社から刊行されたものとされています。
国男が養子入りした柳田家は、藩主堀家が下野烏山城主だった時代からに仕えてきた家柄です。今年はその堀家が飯田に入部して350年の節目の年でもあります。柳田國男館では柳田家への養嗣子入りにはじまる柳田国男と飯田にまつわる資料を展示しています。
(民俗担当)
7月30日から、菱田春草記念室 第36期展示 彩の魅力-春草の色彩表現-がはじまりました!展示作品から1点紹介します。
菱田春草《林和靖放鶴図》
明治33年(1900) 飯田市美術博物館蔵
林和靖(りんなせい)は北宋期の詩人で、生涯を通じて仕官せず、西湖のほとり孤山のふもとに庵を設け世間と離れて暮らしていました。梅を植えて鶴を飼って愛でていたことから、「梅妻鶴子」とも称されます。春草は、林和靖の清高な生涯に心を寄せたらしく、同画題の作品を幾つも手掛けています。本作の、画面右下に林和靖、左上方に一羽の鶴を配した対角線の構図は、南宋院体、画特に伝 徽宗《秋冬景山水図》(金地院蔵)の秋幅から影響を受けているでしょう。
明治30年代前半の春草は、墨の輪郭線を排し、色を塗り重ねぼかして描く空間表現に取り組みます。しかし混濁した色彩となり、批評界からは酷評を受けます。本作と同じ年に描いた《菊慈童》に対する批評では、象徴的な「朦朧体」の言葉も出てきました。
菱田春草記念室 常設展示 第36期 彩の魅力-春草の色彩表現-は8月28日まで。春草の色の探求をぜひご覧ください。
(菱田春草記念室担当)
プラネタリウム投影変更のお知らせ
(令和4年7月29日17:00更新)
長野県の新型コロナウイルス感染症・感染警戒レベルに伴い、7月30日(土)より、プラネタリウムの投影時間および定員を変更します。
引き続き感染症対策を行いながら投影をいたしますので、夏番組をお楽しみください。
菱田春草記念室 第35期展示 墨の情趣-春草の水墨表現-を開催しています。
今期の展示室では、水墨表現にまつわる未完成作品を紹介する一角を設けています。
右から
菱田春草《雨中山水》(未完) 明治30年代頃 本館蔵
菱田春草《山水》(未完) 明治40年代頃 下伊那教育会蔵(本館寄託)
菱田春草《雨後の山》(未完) 明治40年代頃 本館蔵
《雨中山水》は明治30年代の朦朧体期の作例です。画面全体にぼかしを用いており、墨色のみで湿潤な空間をあらわしています。墨のグラデーションからは、多様な色彩が感じられます。
《山水》は明治40年代、画面の明瞭化を重視した時期の作例です。遠景の樹木には点描表現も用いています。となりの《雨中山水》と画題としてはほぼ同じであり、ともに墨を基調としていますが、制作年代で表現の違いを確認できます。
《雨後の山》は、《山水》の構図をやや改め、樹木には緑色を加えています。いずれも、湿潤な空気に包まれた山と木々が描かれている同じ画題の未完成作。比べることで時代ごとの描き方のちがい、短期間での表現の工夫の変化などがみえてきます。
そして、《山水》《雨後の山》を経た完成作と考えられる作品が、《夏山雨後》(明治42年頃 播磨屋本店蔵) です。(今回この作品の展示はありません。) 実景らしさをもちつつ装飾性をつよめた構図をとり、明瞭な色彩も加わり、晩年の春草らしい作になっています。未完成作と比べることで、構図の変遷がわかります。その試行錯誤の様子と、妥協を許さない春草の制作姿勢もうかがえます。
春草は、綿密な写生や構想の後、大下絵(完成作と同じサイズの下絵)無しの一発勝負で描くことが多い画家でした。そのため、このようにいくつもの反故作(途中で描くのをやめた作品)が残っています。春草の作品から時折感じる凛とした空気というか、緊張感というか、そういったものは、制作姿勢からも出ているのかな、とふと思うことがあります。
菱田春草記念室 常設展示 第35期 墨の情趣-春草の水墨表現-は7月24日まで。ぜひご覧ください。
(菱田春草記念室担当)
講師:手塚恒人さん(伊那谷自然友の会)
日時:2022年8月28日(日曜日)午後1時30分〜3時
会場:美術博物館 2階 講堂
定員:30名(申込先着順)
申込:8月13日(土)午前9時30分から電話(0265−22−8118)で受付。
*聴講は無料です。
【内容】
飯田下伊那の領家帯から、コランダムや十字石など学術的に貴重な鉱物や、マグマの冷却過程を探ることができる苦鉄質岩体などが見つかりました。それらの中から、3点ほどについて、今わかっていることをスライドを交えてお話しします。