菱田春草幻の出品作「雨中美人」

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雨中美人(右隻)

 

 

 

雨中美人(右隻)

雨中美人(左隻)

 

 

 

 

雨中美人(左隻)

 

田春草が1910年(明治43)の第4回文部省美術展覧会(文展)に出品を予定し、制作中に中断した屏風作品です。

草は千代夫人をモデルにスケッチを繰り返し、屏風に執筆し始めたところ、「着物の色が思う様に行かないと止めて」しまいます。そして急ぎ着手したのが《黒き猫》。わずか五日ほどで描き上げ、文展に出品したといいます。
つまり本作《雨中美人》は、《落葉》と《黒き猫》のあいだに描かれた幻の出品作なのです。

の作品、特別展「創造の源泉」の調査の際に存在を確認しました。元々は六曲一双屏風に描かれていましたが、12枚の各扇を屏風から剥がした状態で残されていました。全部で六人の女性が線描で描かれており、うち一人に彩色を施した段階で中断されています。

中美人についてはこれまで人物スケッチと下絵の一部しか知られていませんでしたが、この未完成作品の登場によって全体像がわかるようになりました。

 本作《雨中美人》は、特別展「創造の源泉-菱田春草のスケッチ」(3月21日~4月19日)で初公開いたします。
チラシPDF→創造の源泉

美博が子どもたちの作品であふれています

ブログ 今日の美博

今日から美博は、子どもたちの作品であふれています。小中学校郡展等優秀作品展2015・子ども美術学校作品展2015・美博小中高校生写真賞作品展2015が、始まりました。 これらは全て無料でご覧いただけます。

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小中学校郡展等優秀作品展は、下伊那教育会の伝統である「郡総合展覧会」で展示された作品の中から、社会・理科・図工美術の優秀な作品(郡展や県展の入選入賞作品など)を展示しています。

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子ども美術学校作品展では、参加した子ども全員が制作した8種類全ての題材を展示しています。作品「心の花」は、「花は咲く」の歌を聴きながら思いをふくらませて描いた、心ゆたかな作品です。学校を離れ美博で創作された、才能あふれる作品に出合えるチャンスです。

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美博小中高校生写真賞作品展では、受賞作品のほか、写真賞に応募していただいた全ての写真を展示しています。子どもの視点でとらえた新鮮な驚きを味わえます。

3月15日(日)までと、短い会期ですが、ぜひお誘い合わせのうえ、おいで下さい!

プラネタリウムまつり終了しました

プラネタリウム ブログ

2月15日(日)にプラネタリウムまつりを行いました。今回は、星空から生き物までいろいろなテーマの3作品を無料でご覧いただき、昨年の倍以上ののべ988人の方にご観覧いただきました!ご来場いただいた方々、本当にありがとうございました。そして、チケットに限りがあり、ご希望の番組をご覧いただけなかった方には大変申し訳ありませんでした。

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当館副館長よりごあいさつ

人気キャラクター「しまじろう」の作品では、しまじろうの仲間たちとお誕生日星座をめぐったり、一緒に歌を歌ったりと、小さなお子さん連れのお客様に楽しんでいただけたようでした。「星を見に行こう」「いきものがたり」もそれぞれにメッセージがこめられており、星空の美しさから地球のかけがえのなさ、生命の尊さまで、皆で考え味わう機会となったのではないかと思います。ドームで見る自然の映像は迫力がありましたね。また来年のプラネタリウムまつりも、みなさまぜひお楽しみに!

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たくさんの方にお越しいただきました。

3月からは、普段のプラネタリウム投影も春の番組に替わります。今度は楽しく太陽系のことを学ぶ「ぼくたち惑星8兄弟」、や人気アニメ「名探偵コナン~星影の魔術師」(4月11日から)を投影予定です。普段の投影にもぜひお出かけくださいね。

 

長野県は広い‥

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千曲市にある長野県立歴史館へ出前講座に出かけてまいりました。

クルマなら1時間40分くらいで行けるのに、この日はバスと電車を乗り継いで4時間弱‥
グ◯グルマップで調べたら、最寄りの高速バス停からさらに電車に乗り換えが必要とのこと。
で、乗り換えするJR駅まで「徒歩13分」のはずが、なんと案内されたのは「関係者以外立入禁止」の道!
仕方なく回り道。
正確には中年男性が小走りして「徒歩13分」でしたね(※)
危うく電車に乗り遅れるところだった‥
(※高速バス停「姨捨」下り→JR「姨捨」駅まで)

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↑途中まで善光寺平の景色を眺めながらのん気に歩いてたんですけど‥

さて、肝心の講座ですが、受講者200名強
毎年やってる全6回の連続講座の最終回だったんですが、今年は例年に増して受講者が沢山だったとのこと。
私めといえば、それなりに時間配分を考えて臨んだはずなのに、案の定後半話す時間が無くなってしまい、肝心なところで話がグダグダに。
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↑これは休憩中のようす

帰りはバス停まで歴史館の方に送っていただいたおかげで所要時間を1時間ほど短縮できました。
皆さまお世話になりました。

雪の朝と現代の創造展

ブログ 今日の美博

昨夜のが木々の枝に着雪し、うすくたなびく朝霧と上空のくすんだ青空をバックにして幻想的な風景を作り出していました。

あまりにもきれいなので、カメラ片手に朝の美博を撮影してみました。
美博の庭にある県の天然記念物「安富桜」やケヤキの枝も、美しく雪化粧。

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「博物館の父 田中芳男」の胸像も、ふわふわ帽子と肩ショールでおしゃれ度アップ中ですw

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館内では、「現代の創造展」を開催中です。
活躍中の地域の作家の方々の作品が、展示室だけでなくロビーにも展示されています。

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「現代の創造展」は2月22日(日)までです。
ぜひお出かけ下さい!

(シカタ)

飯田にもあった、青木繁の作品

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この作品は「虹の松原」名付けられた青木繁の油絵。

青木繁といえば、近代日本を代表する洋画家のひとり。
「海の幸」「わだつみのいろこの宮」なんかは青木の名を知らない人でもどこかで眼にしているはず。

青木は明治44年3月に28才という若さで早世していますが、この作品は亡くなる前年の夏~秋に描かれたもの。どうしてそんな作品が飯田に?

とりあえず現在展示中の「伊那谷の洋画家たち」(~3月15日まで)におでかけください。

小さな造形

小さな造形

ブログ 今日の美博

昨日に引き続き、マクロレンズで切り取った冬のデザインをお届けします。
家や職場の周囲でも、よくみると、小さな冬だけの自然がみつかりますよ。

 

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▲氷でコーティングされた草の茎
水しぶきのかかる場所では、いろんな形の氷がみられました。
草の茎についた氷は、鹿の角のような面白い形になっていました。

 

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▲雪をかぶったスギゴケ類とアオキヌゴケ類?
色と形が魅力的。
コケは種類が多く、どれも似ていてさっぱりわかりません。

 

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▲胞子の入った蒴(さく)がのびたエゾスナゴケ
同定の難しいコケですが、エゾスナゴケだけは特徴的なので覚えました。
道ばたや庭などにごく普通にあるコケです。
冬でもとてもきれいな緑色をしているので、ぜひ探してみて下さい。

(シカタ)

冬の緑

冬の緑

ブログ 今日の美博

寒い寒いこの時期でも、植物たちはがんばっています。

ブログのテストをかねて、美博の周りで見かけた冬の緑を紹介しましょう。

 

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霜の結晶を葉先にまとったエゾスナゴケ
晴れて乾燥するこの地域では、冬のコケは縮こまってなんとなくいじけた感じがしますが、湿度がある場所ではコケは冬でも緑なんですね。

 

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ヒメムカシヨモギのロゼット

 

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キュウリグサのロゼット

 

植物の中には、地面に這いつくばるように葉を広げて冬を乗り切る種類がいます。
このような形状をロゼットと呼びます。
バラ(ローズ)の花のような形に由来しているそうです。

文一総合出版のロゼットハンドブックは、冬の自然観察に欠かせない一冊です。

(シカタ)

マリンバ演奏家・奥平哲也さんが飯田への想いを綴ってくださいました。

プラネタリウム インフォメーション ブログ イベントレポート

去る6月28日、当館プラネタリウム天歩にて素晴らしい演奏をお届けくださったマリンバ演奏家の奥平哲也さんが、飯田への想いを綴ってくださいましたので、ご紹介します。コンサート当日は、飯田の自然風景や安富桜、星空や朧月、そして春草絵画をドーム一杯に投影し、ドーム映像とマリンバの響きの共演を多くの方々にお楽しみいただきました。(寄せてくださった文章は、9月に神奈川県で行われたコンサートのプログラムに載せられたものです。)

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「人・土地・音楽」

6月の南信州の飯田市にてコンサートをしてきた。飯田は天竜川の長い年月の侵食によってつくられた河岸段丘という地形の中にある街である。100kgのマリンバを乗せた車で、伊那地方の中央道を走り飯田入りしたが、眼下に広がるその雄大な山里の都市景観にたいへん感動した。演奏する会場は、飯田城址にある飯田市美術博物館内のプラネタリウムである。飯田出身で、今年生誕140周年を迎える日本画家・菱田春草の名作「菊慈童」をプラネタリウムに大投影し、その下で私が自作曲の「慈愛」を演奏するという、名画を観ながらマリンバコンサートを楽しむ、美術と音楽のコラボレーション(協働)の演出となった。その他にも飯田の満天の星空や満開の夜桜の映像と共に「星に願いを」「荒城の月」「古謡さくら」といった名曲を演奏した。来場された信州の多くの皆さん、美術博物館の学芸員、職員の皆さんと、一般のコンサートホールでは味わえない、面白く豊かな体験をすることが出来た。その土地ならではの文化の懐の中で、音楽の仕事が出来たことに、大きな喜びと感謝を覚えた南信州での演奏であった。

平成26年(2014) 9月  奥平 哲也

IMG_0141(奥平氏)(修正)

今日は飯田市も大雪です。

今日は飯田市も大雪です。

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夜半から降り出した雪が日中もどんどん積もって、すでに積雪は20cm以上になってます。

本日は、明日から始まる「第十四回 現代の創造展」の展示準備で臨時休館ですが、歩道や通路は雪をかきました。
でもかいた端から再び雪に埋もれていきます。

併設する柳田館もほら、この通り。

美術博物館の庭には、飯田出身で「日本の博物館の父」と呼ばれる田中芳男の胸像がありますが、
博物館の父も今日は肩無し
肩が見えなくなって四角錐です。

近づいてみると、なんとなくご機嫌も悪そう。
あとで、雪を払っておきます。