自然展示室入り口パネルを、2022年1月版に更新しました!

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明けましておめでとうございます。

2021年の1月からはじめました、自然展示室入り口の月替りパネル、1年間続けることができました。今年も続けていきますので、お気にかけていただければ幸いです。

さて、今年最初のテーマは「冬の虫たちの過ごし方」と題して、クワエダシャク、キノカワガ、ホソミオツネントンボなどを紹介しています。
中心の写真の中から、クワエダシャクの幼虫を見つけ出してみてくださいね。

 

新年を迎える準備を垣間見る

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南信州でかつて広く行われてきた門松は写真のようなタイプのものです。

「オトコギ」などと呼ぶ杭を2本立て、幣束をつけたしめ縄を張り、松や竹などの枝を杭に縛りつけます。同じく杭には神様への食べ物をお供えする「オヤス」も付けます。しかし、こうしたタイプの門松も年々減ってきています。

今日も遠山谷の山奥へ門松を見せていただきに行ってきました。
現在は、小正月の飾り物である「ニューギ」「タワラ」「アワボ」も大正月に合わせて作っており、すごく大変な作業…。

80を越える当主の方は「自分の体がもつうちは続ける」と語り、遠山で生活し続けてきた人たちの心持ちの一端を伺えた気がしました。

(民俗担当)

自然展示室のパネルを12月版に更新済みです!

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毎月更新中の自然展示室入り口のパネルですが、今月も12月1日から新しくなっています。

今月のテーマはカモです。
伊那谷は湖や池など止水域が少なくカモの種類の多い地域ではないですが、それでも10種以上の種類が見られるようです。

パネル写真の見どころは、緑のアイシャドウを大胆に入れたヒドリガモとオナガガモの流し目です。ぜひ見におでかけ下さい。

なお、今回のパネルは、専門研究員の米山が作製しました。

四方圭一郎(自然担当)

お祭りの季節

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12月といえば遠山霜月祭の季節です!
民俗担当の私も木沢地区で継承活動を行う「野郎会」というグループに入っており、1か月ほど前から練習を重ねています。

この時期、お祭りの笛や太鼓の音を聞くだけでそわそわしてしまいますね。

また、本日は4日に開催される南信濃川合・小道木地区のお祭りの準備にお邪魔しました

南信濃地区の霜月祭は、コロナの関係で夜21時までの開催と決められています。そのなかで、これまで当日の朝に行っていた準備を一週間前に済ませ、少しでもいつも通りのお祭りができるように、ということで工夫されています。
開催の可否の判断すら難しい状況ではありますが、地域の人たちの前向きな心持ちを伺うことができ、嬉しい気持ちになりました。

そして、お祭りの話になるとつい長くなってしまう民俗担当でした、、、
(なお、今年の遠山霜月祭は、飯田下伊那地域の在住者と、遠山郷への通勤通学者に限って参加・見学が可能です。)

(民俗担当)

自然展示室のパネルを11月版に更新しました

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自然常設展示室の入り口に、季節の自然を紹介する「身近な自然ひとつかみ」パネルを掲示しています。
月が変わりましたので、先日11月版に更新しました。

今月のテーマは「枯葉色のウスタビガ」です。
ウスタビガは、年に一度晩秋のこの時期にだけ出現します。
モコモコの和毛に覆われ、丸々としたかわいい蛾です。

本当にかわいらしいので、ご来館のさいは、パネルの前で足を止めてじっくりご覧ください!

四方圭一郎(生物担当)

 

落葉の民俗?

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美博の庭では、ケヤキの木が色づき、澄んだ青空に一際映えています(今日はあいにくの雨ですが)。

一方、足もとの葉っぱは減ることを知らず、庭の整備をされているスタッフは大変そう…。
ちなみに、美博の落葉の一部は肥料に使われているとか。
かつて落葉がどのように利用されていたのか、特別展の来客対応を外でしながらふと考えてしまいます。

(民俗担当)

没後110年菱田春草展 後期展示がはじまりました!

ブログ 今日の美博

飯田市美術博物館で10月9日よりはじまった、没後110年特別展「菱田春草 ―故郷につどう珠玉の名画-」。10月24日(日) をもって前期の展示が終了しました!特に、前期のみ展示の重要文化財《黒き猫》は、ご来飯53年ぶりということで、「楽しみにしていた!」「みることができてよかった!」と多くの方からうれしいお声をいただきました。

さて、10月26日より、後期の展示が始まりました!春草の珠玉の名画勢ぞろい、というテーマはそのままに、13作品を入れ替えました。後期の裏テーマはずばり「古典引用」。より深く、春草の制作の意図を知ることができる展示です。

学生時代から晩年まで、代表的な作品を網羅し、春草の制作の変遷をたどることができる特別展。この機会にぜひご覧下さい。


※混み合うことが予想される団体来館の時間は下記リンクからご確認ください。
菱田春草展■学校観覧などで混み合う日時の情報

 

(菱田春草記念室担当)

【春草展】ジュニア鑑賞ガイドの紹介

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菱田春草の特別展開会まで、残り2週間となりました。明日9/27から10/8まで、美博は臨時休館となります。

さて、本日は今回の春草展に合わせて作成した、ジュニア鑑賞ガイドを紹介いたします。

地域ゆかりの作家の大回顧展、この機会にぜひ春草の名画に出会ってほしい、という思いから、飯田下伊那の全小中学生へ配布しました。春草の名作7点と、春草の制作について、春草の生涯、と盛りだくさんな内容をコンパクトにまとめています。A5サイズ、全8ページのリーフレットです。当館の展示デザイン担当職員が描いた きくじどう が、それぞれの作品の見どころを紹介します。

本来であれば、展示室で実際の作品をみながら学芸員が解説をしたり、子どもたちの質問に答えたりしながら、対話を通して作品を鑑賞できる機会を設けたいところです。しかし、感染症拡大に伴い、当館では、展示室でのギャラリートークを控えることにしました。静かに、それでも最大限作品を味わう手助けをなにかできないか、と考えた時に、個々で鑑賞をするのに適している鑑賞ガイドに至りました。

展覧会会期中、ご希望の方には受付にてお渡しできます。ご来館のお子様、そして大人の方も是非、お手にとってご覧ください。春草について知り、春草の名画に親しむ一助となることができたら幸いです。

(菱田春草記念室担当)

最近の柳田事情…

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近頃、世間で「柳田国男」の名をよく耳にするのは私だけでしょうか。某局のラジオでは柳田の「故郷七十年」の朗読が放送され、某ゲームにも文豪として登場するとか。

柳田国男は元々松岡国男と言い、飯田藩士の柳田家に養子入りしてから柳田姓を名乗ります。今年は養子入りした明治34年(1901)から120年です。

美博のすぐ側にある長姫神社の灯籠には、「柳田国男」の名前が刻まれています。
この灯籠は、柳田が養子入りした明治34年に建てられたものです。

美博の敷地には柳田の書斎を移築した柳田国男館もあります。この機会に柳田国男について深く知るのはいかがですか?

(民俗担当)

菱田春草《雨中美人》(未完成)が飯田市有形文化財に指定されました!

ブログ 今日の美博

令和3年9月17日、飯田市に新たな有形文化財が登録されました。飯田出身の日本画家、菱田春草の未完成作品《雨中美人》です。

 
菱田春草《雨中美人》(未完成) 明治43年

 

和傘をさした女性たちが、談笑をしながらゆっくり歩みをすすめている様子が描かれています。ほとんどがまだ下書きの状態で、一部着彩を進めたところでとまっています。

この屏風は、明治43年、第4回文部省美術展覧会(文展)に出品するために制作をはじめました。
前年度の第3回文展の際に、《落葉》を出品し、世間から高く評価された春草は、さらに新しい日本画の表現を目指してこの屏風作品に挑戦しました。暑い夏の日に妻の千代にモデルとなってもらいながら、様々なポーズと角度で和傘をさした女性のスケッチや小下絵を描き、時間をかけて準備しました。そして満を持して本制作に取り掛かったのですが、着物の色が思ったようにいかず、中断してしまいました。
しかし提出期限が迫る中、何かしゅっぴんしなければと、これまでの研究や経験を注ぎ込んで集大成のように描いたのが名画《黒き猫》でした。

《雨中美人》は、令和3年10月9日から開催の没後110年特別展「菱田春草 -故郷につどう珠玉の名画-」に展示予定です。晩年の春草の挑戦と生の筆遣いを感じられる、未完成の大作をぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)